戦う男たち
皆さんこんばんは、スパルタ系モラトリアム日誌です。(気まぐれアフリカ開拓ブログ、やはり翌日更新できず)
さて、前回のお話に引き続き、本日は世界大会出場が決まったときのお話、コンゴでのお話等していきたいところですが、ちょっと今回は「世界大会」にフォーカスしてお話することとします。
①「君のチームは世界大会に出れません」
話は3ヶ月前に遡ります。
会社のトイレに駆け込み、落ち込むわたし。
兼ねてから世界大会に出ようと事務局と話を進めていた最中、ながーい文章が事務局から送られてきました。
そこには、残念ながら出れないので諦めてといった内容が。
理由はどうやら、2015年世界連盟加盟料$300を収めていないこと、我々の組織体制が整っていないこと等。
...なんと、凡ミスであります。
ただ、この$300をどこから捻出するかが、若き「コンゴ民主共和国フライングディスク協会」にとって昨年から重要な課題となっていたのでした。
スポーツでお金を生み出すにはどうしたらいいのか。
現状、我々は選手から協会登録費のような形でお金を取ることもしていなければ、観客からお金を取ることも、協会として定期的な収入がある訳でもありません。つまり、一緒に活動してくれているコンゴの人達は、わたしを含め私財を投じてここまで活動を続けてきました。
しかし、一昨年に加盟した世界連盟では、(少なくとも世界大会の年までは)毎年$300を加盟料として支払う必要があります。
また、世界大会に出る為には僕らにとっては膨大な額を支払わなければなりません。
では、どうしようか。という話をしながら月日が流れ、タイムアウト。
世界連盟から上記のような通達がありました。
..しかし、そんなことでは絶対諦めません。
そこからはとにかく、
暑苦しいメール作戦
あるのみ。
「ピンチになってからが本番」
そんなことを身を以て教えられた4年間。
ピンチの感覚を散々叩き込まれた4年間だったはずです。
そこで、
「世界大会に出場することは、コンゴのアルティメットにとって重要な意味を持つ。ここで出場しないと、貴重な芽がつぶれてしまう。乃至はアフリカのアルティメットにとって、コンゴの躍進は不可欠であり、中央アフリカ初の世界大会出場万歳!!」
といった内容をツラツラツラツラ書きまくるわたし。
すると、、
返事が来ない!
いやけがさしたのが、全く音沙汰なし。
直接会いに行こうかと航空券を検索し始めていたところ、
その数日後、たまたまFacebookのタイムラインに下記サイトがシェアされているのを発見。
右上の方に、
「Men's division COD」
あった。。笑
ちなみに、今回の世界大会出場は、決して「予選を勝ち上がった」等ではなく、アフリカ枠なのかなんのか、「出たい出たい!!」と言い続けたことがキッカケに。注目のアフリカ勢としては、エジプトと南アフリカが出場を予定しています。
② 決まったのはいいのだが
そうです、ここからなんですよね。
ここからが正念場です。
まず、日本人のわたしは、元々持っていたパスポートで、ビザもなくイギリスに出発すればいいのですが。
コンゴの場合、そうはいかない。
選手の皆さんはパスポートも持っていなければ、VISAを取るのも一苦労。
おまけに2012年のロンドン五輪ではコンゴの選手団が数名亡命したりと、イギリスに対するプレゼンスは限りなく低い。
そして今回、GWにコンゴに渡航しスポーツ省に挨拶に行くとなんと
「今回は政府団も一緒に行くのでよろしく」
..いつの間にか総勢20数名に及ぶ、地味に大きな団体になろうとしている。。
もちろん、アルティメットの世界大会にコンゴの政府の方々も一緒に来るというのは、歴史的にめちゃくちゃ大きなことであるのは確かです。超嬉しいです。
そして、コンゴのスポーツ界にとっても、アルティメットのプレゼンスをはっきりと示すことができる、大チャンス。
しかし、、
この数ヶ月、政府側の人間とスポーツ省、もう色んな人が言ってくることが、
まさに”朝令暮改”を体現するかのように毎回違う!笑
パスポートもVISAも、期近でめちゃくちゃシリアスな問題にも関わらず、
毎日のように振り回され続ける我々。
これぞコンゴ。
エネルギッシュです。
この4年間を一か月に凝縮した形です。
なので、今考えていることは、とにかく
「無事に行って、無事に帰って来れれば100点」
ということであります。
勝ちたいし、まずは1点取りたい。
でもその前に、とにかく無事に全員で行って、全員で帰ってきたい。
心の底からそう思っています。それができれば、それだけで大きな歴史です。
そして、世界大会まであと24日の今日現在。
まだVISAが取れておりません。笑
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はい、ということで、今回はここまで。
だいぶ温まってきました。いい感じです。
次回はいよいよ灼熱の「コンゴ渡航編」で御座います!代表選手のセレクション、そして続くコンゴロード。
翌日なんて言わず、数日以内に、また!
大川晴
世界大会への第一歩
お久しぶりです!大川です。
最後の更新から早2年。帰ってきました、コンゴでコンゴ。
そんな今日は、イントロ的な意味合いも込め約4年前からご愛読下さっている皆さん、それから新しくコンゴでコンゴをお読みになる皆さんに、コンゴでコンゴとは何か、をおさらい/ご説明致します。
2012年、コンゴでコンゴ(SEASON1)にはこんな風に書いてあります。
「大学4年生のスパルタ系モラトリアム日記」
そうです、このコンゴでコンゴとは、とある大学4年生が大学を休学し、アフリカに一年間住むという企画のもと誕生した、気まぐれ・アフリカ開拓ブログでありました。
※コンゴでコンゴ SEASON1:
実際にコンゴに赴き、大学時代にプレーしていた「アルティメット」というフリスビーを使ったスポーツを、近所の子供達と遊びで開始。結果、瞬く間に大ヒット。当時コンゴにアルティメットというスポーツがなかったこと、そして、アルティメットは審判が存在せず、自分たちでジャッジをすること、「No violence」のスポーツであることが父母に受け、挙げ句の果てにはコンゴ民主共和国のスポーツ省にも話が届きます。
そして、渡航して半年。
なんとアルティメットはコンゴのオフィシャルスポーツに認定され、スポーツ省主導のもと全国の学校教育に取り入れること、ナショナルチームを創設することが決定。
私はあくまでも暫定的に、監督となりました。(大学時代は補欠)
ちなみに、アルティメットはこんなスポーツです。
その後も、あれよあれよと話が進み、
日本の皆さんから300枚のフリスビーを届けて頂いたり、
スポーツ省から「アルティメットをナショナルスポーツ(助成金が出る等)にするには国内6州に拠点を築き、全国大会を開催すること」という指令を頂き、各州に遠征に行ったり。(途中マラリアに感染)
コンゴで初の大会を開こうとポスター・CMまで作り、大会を実施。
スポーツ省の御厚意もあり、コンゴで一番大きなスタジアムを貸し切っての大会となりました。ただ、規模感からいって全国大会、という訳にはいかず「キンシャサカップ」として開催しました。
地道に普及を続け、競技人口も2,000人を超える程のスポーツに成長しました。
そして2014年、イタリアはミラノで行われた世界クラブチャンピオンシップに直接赴き、コンゴアルティメット協会の世界連盟入りを直談判。
結果、2015年よりコンゴ民主共和国は世界連盟の加盟国として認定され、次はいよいよ、、というところまできました。
一方、私個人としては、2014年に大学を卒業した後、そのままこの活動を「仕事」とするべく、コンゴに再び長期で渡る決意をします。しかし、無情にもその年、コンゴ、乃至はアフリカでエボラ出血熱が流行し、渡航不可に。
大学を卒業していた私は、日本で倉庫、プール、予備校とアルバイト生活をしながら生活費と活動費を捻出するべく、遠く日本から活動を続けておりました。
そんな中、私を拾ってくれる企業が現れ、2015年から新社会人として日本で仕事を開始。長期休暇の度、コンゴに渡航する生活の始まりです。
そして、2016年3月。
大ニュースが届きます。
コンゴ民主共和国アルティメット代表チームの世界大会出場決定です。(2016年6月18日-25日 ロンドンにて)
ついに、コンゴアルティメットを世界に披露するときがきました。
活動を初めて4年、もの凄い速度で進んでいるコンゴアルティメットですが、次は世界です。
..そんなこんなで、コンゴでコンゴSEASON3ではコンゴアルティメットチームが世界大会に出場するまで、そして実際にロンドンに行ってみてどうなるのか、その辺りをお伝えしていくつもりです!
そして改めて。
これまでクラウドファンディングや、日常から応援して下さった皆様に御礼申し上げます。この4年間、本当にたくさんの方から応援頂き、この活動を続けてこられました。全国大会は未だ、競技人口や治安の問題上渡航できない地域に赴けていないこと等で実施はできていませんが、せっかく頂いたチャンスである「世界大会」に向け、全力で進んで行きたいと思っております。
最後に告知です。
世界大会へ向け、今週中にひとつプロジェクトを立ち上げたいと思っております!(また、告知させて頂きます。)
そして、コンゴでコンゴ SEASON3、明日も更新致します!!!!!
(今までできた試しはないのですが、、笑)
あわせて、こちらもどうぞ!
コンゴでの半年間を記録したドキュメンタリー「Super View」です。上記の話が、より実感を持って纏められています。
それではまた明日!
明日はいかにして世界大会出場を決めたか、そして今年のGWにコンゴで起きたドタバタ劇をお伝えします。
大川晴